薬品知識

バルトレックスと飲み合わせが悪い薬|頭痛薬やピルとの併用は?

バルトレックスの飲み合わせ

バルトレックスとの飲み合わせが悪い薬

バルトレックスとの飲み合わせが悪い薬は、有効成分であるバラシクロビルが代謝された後に変化して薬効を発揮するアシクロビルとの作用に問題があります。バルトレックスの添付文書に記載がある併用注意薬として、以下が挙げられます。

プロベネシド(尿酸を排泄する薬)

プロベネシドは、痛風の治療に使われる尿酸排泄促進薬です。アシクロビルが腎臓から尿中に排泄されるのを邪魔します。アシクロビルの血中濃度が高い状態で維持されるため、バルトレックスの作用が過度に増強されます。副作用が強く出るおそれがあるため、要注意です。

シメチジン(胃酸を抑制する薬)

シメチジンとは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、急性胃炎などの治療に使われる胃酸抑制剤です。上記したプロベネシドと同様、アシクロビルの排泄を邪魔して、血中濃度を過剰に高めてしまいます。実際にシメチジンとバルトレックスを併用した臨床試験では、血中濃度の推移を表すAUCの値が27%増加したと添付文書に記載されています。

ミコフェノール酸モフェチル(免疫抑制の薬)

ミコフェノール酸モフェチルとは、臓器移植の手術の際に生じる拒絶反応を抑えるために使用される免疫抑制剤です。バルトレックスと飲み合わせると、アシクロビルとミコフェノール酸モフェチルの両方の排泄が悪くなります。双方の薬の血中濃度が高い値で維持されるため、両剤の副作用の発現リスクが高くなります。

テオフィリン(気管支炎の薬)

テオフェリンとは、気管支炎や肺気腫の治療に使われる薬です。バルトレックスと飲み合わせることで、テオフェリン中毒が生じるおそれがあります。テオフェリン中毒では、吐き気や下痢、不安、頻脈、不眠、低血圧、痙攣など様々な症状が生じます。詳しい機序は不明なようですが、アシクロビルがテオフェリンの代謝を阻害している可能性が示唆されています。

バルトレックスと併用する機会の多い薬との飲み合わせ

以下はバルトレックスとの飲み合わせについて、google検索される頻度が高い薬との併用について紹介しています。いずれの薬も併用注意に関する記載が添付文書にはありませんが、それぞれの薬とバルトレックスを飲み合わせの可否やリスクなど出来る限り調べてみました。

ロキソニンなど頭痛薬との飲み合わせ

ロキソニンとイブ、バファリンなどの市販の頭痛薬(鎮痛剤)との飲み合わせも特に問題ありません。特に帯状疱疹の治療では、神経痛が生じるため、強力な鎮痛剤が併用されます。その場合には市販の鎮痛剤では効かないこともありますので要注意です。

アレグラなど花粉症との飲み合わせ

春先には、花粉症に悩まされる方が薬を服用することになりますが、バルトレックスとの飲み合わせには特に問題はないので大丈夫です。花粉症の薬と言えば、アレグラなどの抗ヒスタミン薬になりますが、問題となる相互作用は確認されていません。

トリキュラーなど経口避妊薬との飲み合わせ

普段から経口避妊薬を使い続けている方では、バルトレックスの服用が必要になったからといって急に服薬を止めるわけにもいかないかと思います。経口避妊薬は、バルトレックスと一緒に服用してもそれほど問題はありません。

ですが、経口避妊薬の中にはトリキュラーのように、吐き気の副作用が出ることもあります。バルトレックスにもめまいや吐き気の副作用が報告されていますので、お互いが作用しあって強まることがあるので注意が必要です。

クラビットなど抗菌薬との飲み合わせ

クラビットなどの抗菌薬は、細菌や真菌などの治療に処方されることがありますが、バルトレックスとの相性が悪いという報告はありません。ですが、弱い薬ではありませんので処方されるときには抗ウィルス剤を服用していることをドクターや薬剤師に伝えておくと安心です。お薬手帳があれば、その記録がされていますので役に立ちます。併用機会が多い薬は、意外と安全ですが知っておくとより不安になることなく飲めます。