Contents
バルトレックスの服用期間中にお酒は飲めるのか
バルトレックスとアルコールの関係について、添付文書に記載はありませんでした。飲み合わせによって弊害を起こし得る薬品については、添付文書の【併用注意】の項目で記載されるのが通常です。記載が無いということは、バルトレックスの服用期間中にアルコールを摂取したとしても、ただちに重大な健康被害が生じる心配は少なそうです。
仮にバルトレックスの服用中にうっかり飲酒してしまったとしても、体調に異変がなければ病院などに相談する必要はないでしょう。
とはいえ、バルトレックスの服用中における飲酒はあまりお勧めできません。 仮に直接的な害はなくとも、アルコールが体に及ぼす負担は決してバルトレックスとは無関係と言い切れないためです。
アルコールが及ぼす弊害
バルトレックスとアルコールの飲み合わせで考えられる弊害として、以下の2つが挙げられます。
脱水状態になり副作用の発現リスクが高くなる。
飲酒時には体が脱水状態になりやすくなります。アルコールには利尿作用があり、お酒から摂取した量以上に水分が尿として排泄されてしまうためです。またアルコールが体内で分解される過程において、大量の水分が必要となるためです。
脱水状態は、バルトレックスの副作用の発現リスクを高めます。身体から水分が不足すると、薬の血中濃度が高い値で維持されるため、作用が過度に強く出てしまうおそれがあるためです。添付文書でも脱水状態になりやすい腎臓に障害のある方や高齢者では、慎重な投与を行う旨の記述があります。
免疫機能が低下して治療効果が落ちる。
お酒の飲み過ぎは免疫力を低下させます。血中のアルコール濃度が高くなることで、血中にある免疫細胞の働きが弱くなるためです。またアルコールは、免疫の維持に欠かせないビタミン類を破壊します。
過度な飲酒による免疫力の低下がヘルペスの再発のきっかけとなることもあります。
ヘルペスや帯状疱疹の治療では、薬の効果と共に免疫力が重要です。免疫力が正常であれば、ウイルスの増殖は最小限に抑えられ、病変部の治癒も早まります。
飲酒が避けられない場合は水分補給を忘れずに
やむ得ず飲酒する場合には、量をほどほどに抑えましょう。自分で調整するのが難しいという方は、常にお酒と共にチェイサーを飲みましょう。飲み会の前後にスポーツドリンクなどでたっぷり水分補給をするのも有効です。とにかく、お酒だけを口にしている状況は避けましょう。
お酒の中でもビールは避けた方が良いでしょう。ビールは、アルコールの利尿作用が特に強いお酒です。1リットルのビールを飲むことで、1リットルの水分が体から失われるといわれています。グビグビと飲みやすいところも良くありません。発汗による脱水もおきる真夏の炎天下でのビールは、最悪の条件といえます。